ABOUT
このスポットについて
伊勢と大和を結ぶ山あいの谷、津市美杉町上多気(かみたげ)に北畠神社があります。南北朝時代から戦国時代にかけて伊勢国司を務めた北畠氏が、居館を構えた「多気(たげ)」の地にあたり、神社は国史跡「多気北畠氏城館跡」の中に鎮座しています。『太平記』ゆかりの地として、昔から多くの人が訪れてきました。
祭神は北畠顕能(あきよし)を主神とし、父の親房と兄の顕家を配祀します。境内の末社・留魂社には、北畠具行・満雅・具教らのほか、一族の家臣や農民の戦死者も祀られています。建武中興十五社の一つで、そのなかで唯一、近世以来の由緒をもつ神社とされます。
由来書によれば、寛永20年(1643年)に北畠具房の4代孫にあたる鈴木孫兵衛家次が小祠を設け、北畠八幡宮と称したのが始まりです。顕能を祀るようになったのは元禄年間以降とする説もあります。明治14年(1881年)に村社北畠神社と改称し、昭和3年(1928年)に社殿を新造して別格官幣社に昇格しました。
境内でぜひ歩きたいのが、国の名勝に指定されている北畠氏館跡庭園(昭和11年・1936年指定)です。神社境内の東南隅にあり、「米字池(こめじいけ)」と呼ばれる池と、「蕎麦壷山(そばつぼやま)」と称する築山でできています。池の中には蓬莱島とも弁天島とも呼ばれる島があり、「仁王石」「達磨石」などの名がついた石が配されています。杉やカエデ、桜、カヤ、ヒノキなどの高木に囲まれ、ツツジやアセビなどの低木も植えられています。津市観光協会の案内では、管領・細川高国の作庭と伝えられています。庭園の跡地には、かつて別当寺の真善院があったとされます。
平成18年(2006年)には庭園と霧山城跡が一つにまとめられ、「多気北畠氏城館跡」として国の史跡になりました。北畠氏館は平成29年(2017年)に続日本100名城(153番)にも選ばれています。境内には北畠顕能の歌碑もあります。
季節では、庭園の紅葉の時期がよく知られています。木陰の涼やかな景色は、夏の避暑にも向くと紹介されています。年中行事には、1月1日の元旦祭、2月11日の建国記念祭、5月5日の伊勢国司講社大祭、10月13日の秋季大祭、11月23日の新嘗祭などがあります。
庭園と境内をゆっくり見て、1時間前後が目安です。公共交通は少なく、JR名松線の家城駅から津市コミュニティバスで約45分(1日4便)、車なら伊勢自動車道の久居ICから約60分かかります。周辺に他の観光施設は少なく、山あいの静かな史跡をじっくり味わう旅になります。
最終更新日 2026年11月2日
