ABOUT
このスポットについて
桐生市の市街を見下ろす水道山の中腹に、大川美術館はあります。桐生市出身の実業家・大川栄二が、約40年をかけて集めた作品を展示するために1989年に開いた美術館です。歴代館長は大川栄二(1988〜2008年)、寺田勝彦(2009〜2017年)、田中淳(2017年〜)です。
収蔵品は、日本の近代洋画を中心に6,500点を超えます。中核をなすのが、松本竣介と野田英夫のコレクションで、いずれも日本最大規模とされます。松本竣介では、代表作の『街』(1938年)や『運河風景』(1943年)を所蔵しています。野田英夫の『都会』(1937年)はかつてこの館が所蔵していましたが、現在は東京国立近代美術館にあります。ほかにも藤島武二のエスキース、曾宮一念、難波田龍起・史男・紀夫、清水登之のまとまったコレクション、ピカソ、ミロ、ルオー、ベン・シャーンなど西洋の作家も揃います。
この館の展示の特徴は、「人脈」をキーワードにしていることです。松本竣介を中心に、師弟関係、同じグループの仲間、友人、影響を受けた作家のつながりをたどるように作品を並べ、一人の作家を点でなく関係の網のなかで見せています。作品を年代順に並べるのとは違う、ここならではの見方で、知らなかった画家の名前も、線でつながっていきます。
建物にも歴史があります。もとは旧第一勧業銀行の社員寮だった建物で、松本竣介の息子である松本莞が設計して、増築・改装しました。山の斜面に沿って建つスキップフロア方式の構造で、階をまたぎながら展示室をめぐっていく空間は、一般的な美術館の箱型の展示室とは違った体験になります。図書室、庭園、喫茶室、ミュージアムショップも併設されています。
おすすめは、季節の移ろいを感じられる時期です。館内の喫茶では、緑豊かな水道山の四季の移り変わりを眺めながらゆったり過ごせます。展覧会は入れ替わるため、季節ごとに訪れるたびに違う顔が見られます。鑑賞の所要時間は、展示の規模にもよりますが、1時間半から2時間が目安です。
行き方は、JR両毛線の桐生駅から徒歩約13分、上毛電鉄の西桐生駅から徒歩約8分です。東武桐生線の新桐生駅からはタクシーで約10分、車の場合は北関東自動車道の太田藪塚ICから約30分かかります。公式サイトには松本竣介資料室のページがあり、作家の資料にも触れられます。展示作品の入れ替えのために休館する期間があるほか、開館時間や休館日は変わることがあるため、訪問前に公式サイトで確認してください。
最終更新日 2026年11月1日
