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このスポットについて
羽茂川に架かる朱色の欄干の橋を渡り、鳥居をくぐると、島の総鎮守として古くから崇められてきた社が山を背に静かに構えています。度津神社は、佐渡市羽茂飯岡に鎮座する佐渡国一宮です。佐渡の南部、小木港から車で10分ほどの山あいにあります。
祭神は五十猛命(いそたけるのみこと)で、大屋津姫命と抓津姫命の二柱の妹神が配されています。三神は木の文化を司り、林業・建築・造船の神とされます。海に囲まれ、舟で人と物が往来した佐渡で、交通安全の守り神として信仰されてきた理由がうかがえます。社名の「ワタ」は海を表す古い言葉で、海の神を祀る社だったとみる説もあります。
歴史をたどると、延長5年(927年)の『延喜式神名帳』に式内社(小社)として名が見えます。度重なる羽茂川の洪水で社殿や古文書を失ったため、創建や中世の経緯には不明な点が多く、文明2年(1470年)の洪水のあと、文明4年(1472年)に佐渡を治めた本間氏が再建したと伝えられます。江戸初期の神道家・橘三喜は、全国の一宮を巡って延宝6年(1678年)に参詣しました。文化13年(1816年)には別当の神宮寺と慶当寺のあいだで一宮の座をめぐる争いが起こり、神宮寺が勝訴したとされます。明治4年(1871年)に国幣小社に列せられ、現在は神社本庁の別表神社です。
境内に入ると、県道側の一の鳥居の奥に妹背山が望め、続く二の鳥居、火防橋、石段の上の山門と、参道が奥へ向かって高まっていきます。拝殿の裏手の一段高い場所に本殿が建ち、覆屋根は流造、前面の幣殿は切妻造です。木々に囲まれた拝殿の屋根は緑青を帯び、菊の紋を染め抜いた幕が掛かる様子は、島の一宮らしい重みがあります。
主な祭事は、1月1日の歳旦祭、4月21日の全島交通安全祈願祭、4月23日の例祭、4月24日の全島海上安全祈願祭、11月23日の新嘗祭です。主な神事に神鏑馬式(かぶらやしき)があり、妹背神楽という伝統の芸能も伝わります。春の例祭の時期に合わせて訪ねると、島の祭りの空気に触れられます。
見学は境内を歩いて30分ほどが目安です。近くには飯岡城跡や羽茂城跡があり、あわせて歩くと本間氏の時代が想像しやすくなります。佐渡金山(約21km)やトキの森公園(約21km)、尖閣湾揚島遊園(約27km)へは車で足をのばすことになるので、島を車で巡る行程に組み込むのが現実的です。
最終更新日 2026年11月2日
