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このスポットについて
那古寺(なごじ)は、千葉県館山市の那古山の中腹に建つ真言宗智山派の寺院です。本尊は千手観世音菩薩で、地元では「那古観音」の名で親しまれています。館山湾に面した那古の町を見下ろす位置にあり、坂東三十三観音の第三十三番札所、つまり巡礼の結願の寺として、多くの巡礼者が最後に訪れます。このほか、安房三十四観音の第一番、関東八十八ヶ所の第五十六番にも数えられています。
寺伝によると、創建は養老元年(717年)で、元正天皇の病気平癒を祈願した行基が開いたとされています。戦国時代には、北条氏康に追われた古河足利家の足利藤氏が滞在したとも考えられています。観音堂は平成の大改修を経て、2010年10月に落慶法要が営まれ、同年11月に本尊が開帳されました。
境内の見どころは、山の斜面に沿って立つ仁王門、観音堂、多宝塔です。観音堂は千葉県の指定有形文化財で、総ケヤキ造り、正面と左右の三方に唐破風を付けた華やかな建物です。向拝には、松平定信が文化14年(1817年)に書いた「円通閣」の額が掲げられています。多宝塔も千葉県の指定有形文化財で、心柱の墨書から宝暦11年(1761年)の建立と分かり、地元の大工が建てたことも墨書に残ります。下層に象鼻、上層の尾垂木に龍鼻を備え、県内で確認されている多宝塔は2例のみとされています。
寺には、鎌倉時代の銅造千手観音立像(高さ約104.8センチ、国の重要文化財)も伝わります。このほか、八幡神を描いた絵画や木造阿弥陀如来坐像、刺繍の法華経などが千葉県の、歌舞伎の絵馬や高瀬家文書が館山市の文化財に指定されています。
観音堂と多宝塔を巡り、境内でゆっくり過ごすなら、所要時間は30分から1時間ほどが目安です。坂東三十三観音の結願の寺であり、巡礼の最後に訪れる人も多い寺院です。
館山湾に面した那古の町にあり、同じ館山市内の見どころと組み合わせて南房総を巡る旅の途中に立ち寄れます。車なら富浦ICから約10分で、無料の駐車場(30台)があります。安房三十四観音の第一番でもあり、安房の観音霊場を巡る起点にもなります。
最終更新日 2026年10月28日
