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このスポットについて
新幹線の停まる新神戸駅の裏に、市街地とは思えない深い渓谷があります。布引の滝は、六甲山地を流れる布引渓流にかかる雄滝(おんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)・雌滝(めんたき)の四つの滝の総称で、神戸市中央区葺合町に位置します。駅から歩いて数分で滝の音が聞こえてくるという近さが、この滝の最大の特徴です。
最も大きい雄滝は落差43m、滝壺の面積は430平方メートル、深さは6.6mです。滝のそばには甌穴(ポットホール)が5か所あり、最大のものは10畳ほどの広さがあります。雌滝の落差は19mで二段に落ち、夫婦滝は9m、鼓ヶ滝は8mとされています。夫婦滝は雄滝の滝壺から2筋に流れ落ち、鼓ヶ滝は遊歩道の途中から見下ろせます。華厳の滝、那智の滝とともに「日本三大神滝」に数えられ、日本の滝百選にも選ばれています。布引渓流は名水百選でもあります。
この滝は文学の舞台でもあります。『伊勢物語』や『栄花物語』をはじめ、平安時代の宮廷貴族が和歌に詠んできた景勝地で、藤原定家や在原業平の歌も伝わります。後世には浄瑠璃・歌舞伎の『源平布引滝』の題材になり、『鉄道唱歌』第二集にも歌われました。古くは役小角が開いた滝勝寺の修験道の行場であり、その跡に建てられた禅寺が徳光院です。
歩き方は、新神戸駅から「布引の滝」の案内に沿って進み、砂子橋を渡ると始まります。分岐から左の平坦な道を約100m進むと雌滝、右の階段を約270m上ると雄滝へ向かいます。雄滝へは分岐から10分弱です。駅から往復30分ほどで、雌滝から鼓ヶ滝を経て雄滝と夫婦滝へ回る周遊もできます。雄滝の脇の階段を5分ほど上った見晴らし展望台からは、神戸の街と海が見渡せます。
滝の上流には、明治33年(1900年)完成の布引ダム(五本松堰堤)があります。日本で初めての重力式コンクリートダムで、砂子橋とともに重要文化財の布引水源地水道施設の一部です。滝と水道の歴史を一度に見られる点が、単なる自然の滝にとどまらない魅力です。
足元は山道のため、歩きやすい靴で訪れてください。滝の近くの神戸布引ハーブ園(約590m)、北野異人館街(約1km)、生田神社(約1.7km)と合わせると、新神戸から三宮・北野をつなぐ一日コースが組めます。JR・山陽新幹線と神戸市営地下鉄の新神戸駅から、雌滝まで徒歩約10分、そこから雄滝まではさらに約8分です。
最終更新日 2026年11月1日
