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このスポットについて
土佐の遍路道には、「真っ縦(まったて)」という名の坂があります。麓から神峯山の中腹へ一気に登る急な山道のことで、その先にあるのが、四国八十八箇所の第27番札所、神峯寺です。山号は竹林山、院号は地蔵院、宗派は真言宗豊山派で、本尊は十一面観世音菩薩。山門と境内は標高約450メートルにあり、高知県東部の安田町に位置します。
この寺の名を遍路の間に知らしめたのが、参道の険しさです。江戸時代には「土佐の関所」「遍路ころがし」と呼ばれ、麓にある前札所で遥拝して納経を済ませる遍路もいたといいます。登り切って仁王門に着いても、その先にはまだ約160段の石段が続きます。仁王門は昭和5年(1930年)の完成で、2007年に屋根の葺き替えと仁王像の修復が行われました。
寺伝では、天平2年(730年)に行基が十一面観音を刻んで本尊とし、大同4年(809年)ごろに空海が堂宇を建てて「観音堂」と名付けたと伝わります。元和年間(1615〜1624年)の火災で堂塔の多くを失い、明治初めの神仏分離で一時は廃寺となって、本尊と札所は金剛頂寺に預けられました。明治20年(1887年)に再興され、大正元年(1912年)には茨城県の地蔵院の寺格を移して、のちに神峯寺と称するようになりました。幕末には、岩崎弥太郎の母が息子の出世を祈って21日間日参したという話も伝わっています。
境内で見ておきたいのは、石段の両側に整えられた日本庭園です。ツツジ、サツキ、紅葉など、四季折々の花木が参拝の疲れをやわらげてくれます。本堂の本尊は秘仏で、平成4年(1992年)落慶の大師堂には、6尺の木造弘法大師坐像が祀られています。ほかに聖観音堂(経堂)、地蔵堂、鐘楼があります。鐘楼の裏の石清水「神峯の水」は、病気平癒の霊験があるといわれ、土佐の名水40選(平成2年)にも選ばれた湧水です。
寺のすぐ上には大山祇命を祀る神峯神社があり、標高483メートル付近には、空海が腰を掛けたと伝わる景色のよい岩があります。年中行事は、1月18日の初会式観音護摩法要と、8月9日の大祭観音護摩法要です。
アクセスは、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の唐浜駅から約3.9キロで、歩けば急坂が続きます。車なら国道55号の「東谷入り口」から約4.4キロ、駐車場は30台(有料)です。宿坊はありません。
最終更新日 2026年11月3日
