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このスポットについて
四国八十八箇所の第30番札所、百々山東明院善楽寺は、高知市一宮にあります。すぐそばには土佐国一宮の土佐神社が鎮まり、二つの境内が隣り合う姿は、神仏がともに祀られていた時代の名残を今に伝えています。真言宗豊山派の寺で、本尊は阿弥陀如来です。
寺伝では、大同年間(806〜810年)に空海が、土佐神社の別当寺として創建したとされます。応仁の乱で焼けたのち、土佐藩二代藩主・山内忠義の保護のもとで再興されました。寺の名は時代によって変わり、承応2年(1653年)には観音院、万治元年(1658年)には長福寺と記録され、享保6年(1721年)に善楽寺と改められました。
明治の廃仏毀釈では別当寺が廃され、本尊の阿弥陀如来像や大師像などの寺宝は国分寺へ移されました。その後、本尊は洞ヶ島の安楽寺に移されて同寺が一時30番札所となり、昭和の初めに地元の人々が別当寺の跡に善楽寺を再興して寺宝も戻りました。どちらが札所かをめぐる問題は、平成6年(1994年)に決着しました。善楽寺が第30番札所となり、安楽寺は第30番の奥の院という形になっています。安楽寺には元の本尊である阿弥陀如来坐像(国の重要文化財)が祀られ、住職は両寺を兼ねています。
境内の本堂は昭和57年(1982年)の建立で、阿弥陀如来を祀ります。本堂の向かいには、子宝祈願にご利益があるとされる子安地蔵があります。大師堂は大正時代の建立で、堂内の大師像は廃仏毀釈をまぬがれた尊像として、厄除大師の名で知られます。ほかに地蔵堂、観音の石像、不動明王の石像などがあり、飛び地には白岩不動と薬師堂があります。2月1日には大般若会、11月28日には白岩での不動護摩の行事があります。
行き方は、JR土讃線の土佐一宮駅から約1.5km。バスはとさでん交通の「一宮東門」停留所から約200mです。車では高知自動車道の高知ICから約2kmで、駐車場は約20台分が無料です。宿坊はありません。境内は大きくなく、参拝そのものは短時間ですが、お隣の土佐神社と合わせて歩くと、神仏習合の歴史がより実感できます。
札所巡りでは、前の第29番国分寺は南国市、次の第31番竹林寺は高知市の五台山にあります。それぞれ車で移動する距離ですが、善楽寺は土佐神社とともに一宮の歴史を訪ねる拠点になります。
最終更新日 2026年11月2日
