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このスポットについて
飛騨一宮水無神社は、高山市の市街地の南、一之宮町に鎮座する神社です。『延喜式』に載る式内社で、小社に列し、飛騨国の一宮にあたります。西南にそびえる位山(標高1,529m)を神体山として祀り、日本海と太平洋の分水嶺にある位山の山上には奥宮があります。位山は日本誕生の伝説の地ともされます。社名の「水無」は「みなし」と読みます。
祭神は15柱で、総称して「水無大神」と呼ばれます。主祭神は御歳大神で、配神には大己貴命、応神天皇、神武天皇、天照皇大神などが含まれます。境内の摂末社には、飛騨国の産土神八十八社が祀られ、飛騨国の総鎮守とされています。
創建の年代は分かっていません。清和天皇の時代の記録に従五位上の神階の記述があり、『延喜式』では小社に列して飛騨国の一宮とされました。鎌倉時代には「水無大菩薩」と称して社僧が奉仕しましたが、戦国時代の戦乱で祭祀が途絶え、近くの寺が管理した時期もあります。元禄5年(1692年)からは吉田神道に属しました。安永2年(1773年)の大原騒動では、神社が集会の場となり、鳥居の前にはいまも「大原騒動一宮大集会之地」の碑が立ちます。明治4年(1871年)には国幣小社に列し、明治7年から10年には島崎藤村の父・島崎正樹が宮司を務め、境内には歌碑があります。昭和20年(1945年)8月22日から9月19日には、熱田神宮の神体が一時避難していました。
境内でまず目に入るのが、鳥居の横に立つ大スギです。樹齢は約800年といわれ、岐阜県の天然記念物に指定されています。また、境内には左甚五郎の作と伝わる神馬「稲喰の黒馬」があります。目が描かれていないのが特徴で、雨乞いに霊験があるとされます。絵馬殿は高山市の指定文化財、神像は岐阜県の指定文化財です。
祭りでは、4月3日の「飛騨生きびな祭り」が知られます。昭和27年(1952年)に養蚕と農業の振興を祈って始まり、飛騨一円から選ばれた9名の「生きびな」が登場します。5月1日の試楽祭と2日の本楽祭を合わせた例祭では、神社から御旅所へ500余名・長さ約1kmの行列が進み、昭和7年(1932年)に醸造が認められたどぶろくが参拝者に振る舞われます。
JR高山本線の飛驒一ノ宮駅から徒歩で7〜8分ほどと、電車で訪ねやすい神社です。車の場合は高山清見道路(中部縦貫自動車道)の高山西ICから約16.5kmで、無料の駐車場が100台分あります。高山市の市街地から南に位置しているので、市街地観光とあわせて、飛騨の古い信仰に触れる時間を作れます。
最終更新日 2026年10月31日
