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このスポットについて
般若寺は、奈良市の北にある古刹です。平城京の鬼門を守る寺として知られ、境内に約15万本、30種類ともいわれるコスモスが咲くことから「コスモス寺」とも呼ばれます。国宝の楼門と、重要文化財の十三重石宝塔が並ぶ景色が、この寺の顔です。
楼門は文永4年(1267年)に廻廊の西門として建てられました。楼門としては日本最古の作例とされ、国宝に指定されています。その奥に立つ十三重石宝塔は高さ約14.2メートル、建長5年(1253年)の建立で、四方に顕教四方仏が刻まれています。昭和39年(1964年)からの解体修理では、塔内から多数の納入宝物が見つかりました。
寺伝では、舒明天皇元年(629年)に高句麗の僧・慧灌が開いたとされます。天平7年(735年)に聖武天皇が平城京の鬼門鎮護のため堂塔を造営し、『大般若経』を塔の基壇に納めて卒塔婆を建てたことが寺名の起こりと伝わります。治承4年(1180年)の平重衡による南都焼討で伽藍を失い、鎌倉時代に西大寺の叡尊が復興して文殊菩薩像を造立しましたが、その像は1490年の火災で失われました。1567年の兵火でも主要な伽藍を失い、現在の本堂は寛文7年(1667年)の再建です。
本堂は奈良県指定有形文化財で、1324年に文観が発願した木造文殊菩薩騎獅像(重要文化財)を本尊として安置しています。境内には、重要文化財の経蔵と、弘長元年(1261年)に伊行吉が父・伊行末の供養のために建てた笠塔婆2基(重要文化財)もあり、笠塔婆や十三重石宝塔など石の文化財を間近に見比べられます。
花の寺としても知られ、山吹(4月中旬から)、あじさい(5月下旬から6月末)、コスモス(秋咲きは9月から)、水仙(12月中旬から)と、季節ごとに表情が変わります。あじさいとコスモスの時期には特別拝観の期間が設けられるため、訪れる前に公式の案内を確かめておくと安心です。東大寺ミュージアムや東大寺まではどちらも約1.3kmで、奈良の北の入口として、東大寺周辺と合わせて歩けます。
最終更新日 2026年10月31日
