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このスポットについて
四国八十八箇所の第8番札所、普明山真光院熊谷寺は、阿波市土成町の平地にたたずむ高野山真言宗の寺です。参拝者を最初に迎えるのは、貞享4年(1687年)に建てられた二重門の山門です。四国霊場でも最大級とされ、徳島県の指定文化財になっています。両脇の仁王像に見守られてくぐると、一気に境内の空気が引き締まります。奥にはさらに、慶安2年(1649年)建立の中門(二天門)があり、持国天と多聞天が守っています。
寺伝によれば、弘仁6年(815年)に空海が開いたといいます。空海がこの地の閼伽ヶ谷で修行していたとき、熊野飛瀧権現が現れて衆生済度の礎とするよう告げ、約5.5cm(一寸八分)の黄金の観音像を授けました。空海はこれを胎内に納めて等身大の千手観世音菩薩を霊木に刻み、本尊としたと伝わります。江戸時代には阿波藩主・蜂須賀家の保護を受けて栄えました。昭和2年の火災で本堂と本尊は焼け、現在の本堂は昭和46年に完成したものです。本尊の千手観世音菩薩は、毎月18日と正月三が日に開帳されます。
境内の建物では、江戸時代に建てられた多宝塔と、宝永4年(1707年)建立の大師堂が県の文化財に指定されています。大師堂には、永享3年(1431年)の作と伝わる木造弘法大師坐像が安置されています。本堂へは女厄除けの33段、大師堂へは男厄除けの42段の石段を上ります。袴腰形式の鐘楼や、弁財天を祀る弁天池、熊野飛瀧権現社の跡、地蔵菩薩の経木場なども見られます。
季節の景色も魅力です。3月初旬には蜂須賀桜が入口付近から池のほとりにかけて咲き、4月初旬にはソメイヨシノやしだれ桜が見ごろを迎えます。初夏にはあじさいが彩ります。毎月18日には、本尊が黄金に輝くようライトアップが行われます。冬の納経所には薪ストーブがあり、暖まりながら納経できるのも、この寺ならではの心づかいです。
行き方は、JR徳島線の鴨島駅からタクシーで約15分。車では徳島自動車道の土成ICから約2kmで、徳島県道139号沿いにあります。駐車場は普通車約20台とバス用があり、志納金が必要です。宿坊はありません。境内をひと回りするだけなら長い時間は要りませんが、石段や各堂をゆっくり見て回る余裕を持つとよいでしょう。
札所の巡りでは、前の第7番十楽寺から歩いて約1時間10分、次の第9番法輪寺までは歩いて約40分と案内されています。阿波西国三十三観音霊場の第27番でもあり、次は第28番の切幡寺へと続きます。山門・中門・多宝塔・大師堂と、県指定文化財の建物が一つの境内にそろうため、寺院建築を見て回る参拝にも向いています。
最終更新日 2026年11月2日
