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このスポットについて
秋篠寺は、奈良市の西北、秋篠町にある単立寺院です。西大寺の北に位置し、深い木立と苔の庭に包まれた静かな境内で知られています。本堂は国宝で、重要文化財の伎芸天立像を祀ることから、奈良の古寺のなかでも落ち着いた雰囲気を求める人に親しまれています。 創建は宝亀7年(776年)とされ、伝承では光仁天皇の勅願により僧の善珠が建てたといいます。ただし、この伝承は鎌倉時代の文書に見えるもので確証はなく、『続日本紀』に宝亀11年(780年)、光仁天皇が食封100戸を施入したとあることから、それ以前の創建であることがわかっています。創建時は法相宗でしたが、平安時代に真言宗の寺となり、保延元年(1135年)の火災で講堂以外の主要な伽藍を失いました。明治以降は浄土宗でしたが、現在は単立寺院です。 国宝の本堂は、旧講堂の位置に建つ鎌倉時代の再建です。桁行5間・梁間4間の寄棟造、本瓦葺きで、和様仏堂の代表作の一つとされます。簡素で保守的な構成のため、鎌倉時代の建物でありながら奈良時代の建築を思わせる姿で、内部は床を張らない土間になっています。本尊は重要文化財の薬師三尊像です。 本堂の向かって左端に立つ伎芸天立像(重要文化財)は、像高約2.06mの像で、頭部は奈良時代の脱活乾漆造、体部は鎌倉時代の木造という、異なる時代の部材が組み合わされています。日本では伎芸天の彫像の古い例が本像以外に知られていないとされ、「東洋のミューズ」と称えられます。大元堂に安置される大元帥明王像(重要文化財)は秘仏で、一般に拝観できるのは6月6日の結縁開扉の日だけです。 境内には、奈良時代の金堂や東西両塔の跡が残り、木立の下には苔が広がります。現在の主な入口は東門で、本来の正門は南門です。境内には香水閣もあります。おすすめは新緑と、紅葉が苔の緑と対比をなす11月下旬ごろです。拝観の目安は30分から1時間ほどです。拝観時間は9時30分から16時30分、拝観料は高校生以上500円と案内されていますが、変更されることがあるため、訪問前に寺(0742-45-4600)へ確認してください。 周辺には、西大寺(約1.2km)、唐招提寺(約3.2km)、薬師寺(約4km)があり、奈良西部の古寺巡りの途中に立ち寄れます。近鉄の大和西大寺駅から奈良交通バスで約6分、「秋篠寺」下車すぐです。無料の駐車場もあります。
最終更新日 2026年10月24日
