ABOUT
このスポットについて
鎌倉駅の東、大町の通りに面して山門を構える安養院は、北条政子ゆかりの寺として知られる浄土宗の古刹だ。正式には祇園山長楽寺安養院といい、本尊は阿弥陀如来。千手観音も祀られ、「田代観音」の名で呼ばれる。坂東三十三観音霊場と鎌倉三十三観音霊場の札所にも数えられている。
寺伝では、北条政子が夫・源頼朝の冥福を祈って、嘉禄元年(1225年)に長楽寺を建てたのが始まりという。「安養院」の名は政子の法名に由来する。元弘3年(1333年)の鎌倉幕府滅亡の際に長楽寺は焼け、同じ場所にあった浄土宗の善導寺と合併して、現在の寺名を名乗るようになった。さらに延宝8年(1680年)の火災ののち、田代寺の残りを合わせている。その後も天保13年(1842年)の火事と、大正12年(1923年)の関東大震災に見舞われ、昭和3年(1928年)に再建された。
いちばんの見どころは、境内の重要文化財・宝篋印塔だ。延慶元年(1308年)の造立とされ、鎌倉で最古の宝篋印塔といわれる。かつての善導寺に唯一残った遺物でもある。本堂の後ろには2基の宝篋印塔が並び、小さいほうは北条政子の墓の一つともいわれる。鎌倉幕府の歴史を、石の塔を通して身近に感じられる場所だ。
もうひとつの魅力が、境内の植栽だ。通りに面して植えられたつつじは鎌倉でも有名で、春の花の時期にはとくに目を引く。境内には鎌倉市指定天然記念物の槇の木(尊観上人御手植えの槇)があり、古刹らしい静けさを添えている。鎌倉市の景観の資料にも、つつじと槇の木が安養院の見どころとして挙げられている。
年中行事には、初詣、春と秋の彼岸の供養、5月2日の八十八夜のお灸、8月10日の四万六千日の参詣などがある。
鎌倉駅東口から歩いて約12分で、バスなら「名越」で降りて徒歩約1分。境内をゆっくり見るなら、30分前後が目安になる。周辺には鶴岡八幡宮、報国寺、杉本寺といった鎌倉の古寺社が点在していて、組み合わせて巡ると、鎌倉時代から続く歴史をたどる散策になる。
最終更新日 2026年11月4日
