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このスポットについて
浄土寺は、広島県尾道市東久保町にある真言宗泉涌寺派の大本山です。山号は転法輪山、院号は大乗院。本尊は秘仏の十一面観音で、中国三十三観音霊場の第9番札所でもあります。尾道の街を見下ろす山の麓に、鎌倉時代から江戸時代にかけての建物が並んでおり、中世の寺院建築を間近に見られる古刹です。 寺では、推古天皇24年(616年)に聖徳太子が開いたと伝えますが、創建年は確かではありません。文書に名が現れるのは鎌倉時代の中ごろからで、徳治元年(1306年)に叡尊の弟子・定証が中興しました。正中2年(1325年)に焼失したものの、尾道の有徳人である道蓮・道性の夫妻らによって再建されます。現在の本堂や多宝塔、阿弥陀堂は、このときに再興された建物です。南北朝時代には後醍醐天皇や足利尊氏らが寺を味方につけようと外護し、尊氏は戦勝を祈願しました。今も足利氏の家紋を寺紋として用いています。 見どころは、国宝の本堂と多宝塔です。本堂は嘉暦2年(1327年)の建立で、和様を基調に大仏様や禅宗様の細部を取り入れた折衷様の仏堂。多宝塔は翌年の嘉暦3年(1328年)の建立で、年代がはっきりした鎌倉時代末期の多宝塔として貴重です。1994年には境内地とあわせて国宝に指定されました。このほか山門、阿弥陀堂、宝篋印塔(足利尊氏供養塔を含む)など多くの建物が重要文化財で、方丈や唐門、庫裏及び客殿といった江戸時代の建物も残ります。境内西側の庭園は国の名勝に指定され、茶室の露滴庵があります。 宝物では、平安時代後期の作とされる木造十一面観音立像(本堂の本尊)、仏涅槃図、両界曼荼羅図などが重要文化財に指定されています。中世の仏堂と、近世の僧の暮らしの場が一つの境内に重なる景観は、尾道らしい歴史の厚みを感じさせます。 浄土寺の裏手の山には、本堂から奥の院へ続く「観音のこみち」があり、33体の地蔵が並びます。途中の不動岩展望台や、山頂の浄土寺山展望台からは、尾道水道や向島、しまなみ海道の島々を見渡せます。観音のこみちを通って山頂の展望台まで、徒歩で約30分です。春は山桜やツツジ、秋は紅葉が楽しめます。 周辺には、約1kmの距離に千光寺があります。尾道の寺めぐりと坂の町歩きを組み合わせると、半日から1日の行程になります。拝観時間や料金は案内ごとに異なるため、訪れる前に尾道市観光課や尾道観光協会で確かめてください。
最終更新日 2026年10月25日
